大紅袍の伝説に迫る

(2000.10.福建省・武夷山 電脳茶師)



アニメやゲームの世界で、ヒロインが病気にかかり、主人公が険しい山の中へ薬草を求めて冒険の旅に出るなんていうのは、よくある話です。そのような話のルーツは大紅袍にあるのではないだろうか?と僕は考えています。

その昔、皇帝が難病に罹ってしまいました。息子である皇太子は、苦しむ皇帝の病気を治そうと、妙薬を探す旅に出ます。そして武夷山にて一人の仙人に出会います。
仙人は皇太子に、武夷山の険しい山の絶壁に薬草が生えており、その薬草を煎じて飲ませたら、皇帝の病気は回復するかもしれない、と話して聞かせます。
そこで皇太子は険しい武夷山に登り、見事薬草を見つけ出し、帰って皇帝に煎じて飲ましたそうです。

一杯目で、腸の動き出す音が聞こえ、二杯三杯と飲むにつれ、病気は回復に向かい、3日後には皇帝の病気は完治したと言われています。
喜んだ皇帝は、最高級の仙人である証である「紅の衣」をその仙人に授けたと言われています。それ以降、この薬草は「大紅袍」と言われるようになったという話です。

それ以降、大紅袍は皇帝に献上され続けてきました。近代においては、故毛沢東へも献上されていたそうです。聞くところによると、死ぬ間際になっても毛沢東の脳血管は生き生きとしていたそうです。
彼の健康と活力を生み出したのは大紅袍だと信じている武夷山の人々は、少なくありません。


4つの茶の樹から採られたホンモノの大紅袍の葉です。
(武夷山岩茶研究所にて撮影)




珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
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