食は広州にありと言われ、中華料理の中で最も人気が有るのが広東料理なのですが、その中でも一番美味なのが、実は潮州料理。
香港人が最高級のゲストを招待する時は、必ず潮州レストランを選ぶのです。 獲れたての海鮮を薄味で仕上げるこの料理は、初めて食べた人をたちまち魅了してしまうこと請け合いです。
潮州レストランの円卓に付いて注文が終わるとすぐ、ウエイターが陶磁器の茶盤に溢れんばかりの烏龍茶を入れた小さな茶杯を持って来ます。
ちょっと濃い目の一杯をぐいと飲んで、料理コースの始まりです。そして、腹いっぱい美味しい物をつめこんだ後にお勘定を告げると、ウエーターがデザートと共にまた烏龍茶セットをサービスしてくれて、料理の締めくくりとなります。
潮州料理は烏龍茶で始まり、烏龍茶で終わるようだ! このアツアツの烏龍茶をすする時、いわゆる口福(こうふく)を感じます。
広東の人々は日常的に烏龍茶と慣れ親しんでいて、工夫茶(くふうちゃ)と言われるものも、台湾茶芸に代表されるような儀式めいたものも、元々なかったようです。
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