安渓にて林茶師と

(2001.6.福建省・安渓 ラオバン)


アモイから車で数時間かけて、一路、安渓へ車の窓から見える景色、コレが全部鉄観音の畑林さんの茶園です!

林茶師の甥「子林(シャオリン)」の運転で福健省の港街、アモイから安渓へ向かう。標高1000M以上の山々連なる安渓にあって、林茶師林震源茶師の広大は茶畑は、高度850Mの西坪にある。

鉄観音なら安渓という名がすぐ浮かぶが、その中でも「祥華」と「西坪」が有名である。「祥華」の鉄観音が「」で知られるならば、「西坪」の鉄観音は「香り」に特徴があると日本の茶通の間では知られている。
 
林茶師の茶園に到着!近くで見ると、肉厚のある見事な鉄観音。ちょうど茶摘をしておりました。

林茶師は、2001年の鉄観音の『茶王』を獲得したほどの製茶師で、安渓でも指折りの茶師である。
彼は自分の茶園を案内しながら、「肉厚のある鉄観音種は800M〜1000Mの山地で採れる茶が香り、味ともに最高だ!」と胸を張っていた。
険しい山脈に、こけのようにへばりついて見える畑のうねは日本の茶畑に比べ、厳しい自然に打ち勝って生きる力強さを感じる。

ここでは茶摘みに機械化は無縁のようだ。
 
林茶師はさっそく今年の茶葉の出来具合をチェックしています。1kg750万円のお茶をサーブしてくれました。さぁ、お茶がはいりました。

ちょうど今、秋茶の茶摘を終えたばかりで、金秋の茶葉として、春茶とは一味違う香りがするそうだ。安渓の茶労働者、5万人が摘んだ茶の中から選びに選ばれた秋茶の中で一番茶の300gが、香港の茶業者に落札される。

その値段はなんと、50万元/kg(日本円ではナント750万円)だそうで、落札された農家は大変な栄誉だと林茶師は語った。

この安渓という産地の茶農は、鉄観音に絶対的な自信を持っている。北は武夷山の岩茶、南は鳳凰単叢。岩茶には大紅袍、肉桂、水金亀等等。鳳凰単叢は、蜜蘭香、黄枝香、芝蘭香等等、いろんな茶の苗木を育て、商標を持っているのに対し、安渓は頑固に鉄観音一本で勝負している!
 
林茶師自信満々!
さらに林茶師は鉄観音への執念を語ってくれた・・・。
「採取してきた三葉一芽を正しく摘み取るのは機械には出来ない。人間が一つ一つ摘み取るのだ」と声を荒げた。

また、その鉄観音の中でも極品の鉄観音は、摘み取った後の茶葉から一本一本、幹を取り除いていき、柔らかい芽と葉のみを残して製茶したもので、安渓以外では、ココまでのこだわりは真似できないだろうと話していた。

年5回、(初春、春、初夏、夏、秋)と茶摘みを行うが、極品の茶葉は選びぬかれた、ごくわずかだ。


珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
2000年2001年2002年2003年インド編2004年2005年
2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年