外気は37度をこえて汗が滝のように流れて来るのに、これといった物がつかまらないので、ちょぴりあせりと疲れがでてきた。
危険信号だ。過去の経験に照らすと、こういう時に商談すると不要な商品を買いこむはめになるのだ。 よし、すこし早いがホテルでお昼にしよう。
決めたら一直線!景徳鎮でNO.1と言われ、予約しておいた景徳鎮賓館(けいとくちんひんかん)に飛び込んだ。 紅焼豆腐(ホンシャオどうふ)と空心菜(くうしんさい)を肴に、たてつづけに青島ビール2缶を飲み干すと、ほっと一息ついて、気力が再びみなぎってきた。
いつもの様に景徳鎮の地図を買いこみ、午後からの作戦を練ることことにした。地図の見開きに景徳鎮博物館の写真を見つけた。 よし、まずここで景徳鎮の生い立ちを勉強しようと思い立ったら、もうタクシーに乗り込んでいた。
こういう特産地ではタクシーの運ちゃんほど役に立つガイドは他にない。根掘り葉掘りと情報を引き出した。 「この町に住んでいる人の8割は、陶磁器と関係して生活している。私も工場労働者だったがリストラされてタクシーをやってるんだ。景徳鎮の工場のどこがどうだか、なんでも知っているよ!」
と、若くて、やたら威勢の良い運ちゃんなので、午後半日移動の面倒をみてもらうことにした。 |