景徳鎮博物館

(2001.7.江西省・景徳鎮 ラオバン)



外気は37度をこえて汗が滝のように流れて来るのに、これといった物がつかまらないので、ちょぴりあせりと疲れがでてきた。
危険信号だ。過去の経験に照らすと、こういう時に商談すると不要な商品を買いこむはめになるのだ。

よし、すこし早いがホテルでお昼にしよう。

決めたら一直線!景徳鎮でNO.1と言われ、予約しておいた景徳鎮賓館(けいとくちんひんかん)に飛び込んだ。

紅焼豆腐(ホンシャオどうふ)と空心菜(くうしんさい)を肴に、たてつづけに青島ビール2缶を飲み干すと、ほっと一息ついて、気力が再びみなぎってきた。

いつもの様に景徳鎮の地図を買いこみ、午後からの作戦を練ることことにした。地図の見開きに景徳鎮博物館の写真を見つけた。
よし、まずここで景徳鎮の生い立ちを勉強しようと思い立ったら、もうタクシーに乗り込んでいた。

こういう特産地ではタクシーの運ちゃんほど役に立つガイドは他にない。根掘り葉掘りと情報を引き出した。

「この町に住んでいる人の8割は、陶磁器と関係して生活している。私も工場労働者だったがリストラされてタクシーをやってるんだ。景徳鎮の工場のどこがどうだか、なんでも知っているよ!」
と、若くて、やたら威勢の良い運ちゃんなので、午後半日移動の面倒をみてもらうことにした。






博物館では多くのことを学んだ。

なんといっても感動を受けたのは、景徳鎮の華といえる青彩の磁器『青花』だ。元の時代に当地で白地に青の高温焼きが発見され、明、清の皇帝に寵愛されつづけたという。
元の時代に作られた青花(QINHUA)は英国人ジェファーソンによって大英博物館の所蔵の中から初めて発見された。

現在は世界各地の博物館で貴重な所蔵物として展示されているが、総計数百個が現存するのみと言われている。

明から清へと手法は磨かれ、青に紅が加わり、釉裏紅と言われる白地に青と赤の鮮やかな組み合わせが生まれた。
その後3色の三彩、5色の五彩へと進んで行き、景徳鎮の地位を不動のものへとしていったのだ。(続く)


博物館内の様子
600年の歴史の重さを感じさせる、景徳鎮の聖地景徳鎮の粋を集めた展示品の数々。これぞ、まさに芸術!
  
景徳鎮を世界一の磁器に築き上げ、その地位と技を守り続けた人々の像が保存されております。昔の超逸品景徳鎮が歴史順に陳列されています。とても値打ちのあるものばかり。
  
清・明の時代には、ここから『チャイナ』という名前で陶器が輸出されていき、ヨーロッパの有名ブランドを生み出していったのです。博物館では昔ながらの手作りの景徳鎮の製作を見ることができる。
ロクロを手動で回すのに、棒を用いていたのです。この手作りの伝統の技は今も受け継がれている。
  


珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
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