| ◆
市場へ行く 景徳鎮博物館には大掛かりな売店があって、日本に持ち帰りたくなるような物が沢山あったが、商売柄ここで買い集めるわけにはいかない!
売店の販売員が、親切に景徳鎮の卸売り市場が目と鼻の先にあることや、近くに専門店通りがあることなどを教えてくれた。工場廻りは明日に変更して、卸売市場見学することにした。 |
| ◆
あるわあるわ さっそく訪ねると、屋台から大掛かりな磁器の問屋まで、茶器、食器、花瓶から家具に至るまで、路地から路地へと
1000軒はあるかと思われた。半端じゃないなと圧倒されながら品定めを始めたが、どこかジャパニーズテイストではないのだ。 中国とビジネスで関わって20年近くになるが、小生にとって今だに解決されない謎の1つは、中国人の色彩感覚だ。
商店街の看板、そこに売られている商品のパッケージのデザイン、どれを取ってみても、我が日本ではあまり好まれない色彩が多く使われている。 価値観の違いか?・・・などと考えつつ、何十軒も店を歩き回ってみてもないないづくしだ。思わずボケナスと大声で怒鳴ってしまった。
|
| ◆
楊さんの店 とぼとぼと帰り道を歩いていると、専門店街らしき通りが見えた。 ラストチャンスかと足をはやめて行くと、一軒また一軒と瀟洒な店が目に入ってきた。景徳鎮の指折りの手芸家の作品ばかりを販売している店もあった。
そんな中で一軒、茶器を豊富に扱っている店を訪れた。 うれしいことに郊外に自前の工場を持っていると言うことだ。楊さんという番頭格のおばさんは、質問にていねいに答えてくれた。
|
| ◆
なぜ?? 中に青花の茶筒を見つけてこれはと聞くと、その昔、明の時代に「五良大甫」という作家が作ったものであり、当時、日本の茶匠がわざわざ景徳鎮に赴き、これを買い付けたという代物なのだそうだ。
うーむ、早、日本商人は既にここまで来ていたかと先を越された思いをしたが、日本を知っている店なんだと逆に安心感を持った。 次々と商品を見せてもらいながら、矢のように質問を浴びせ掛けた。こんなちっこい茶壷がなんでこっちの大きな物の3倍も高いの?
彼女はやめてよと言わんばかりに大きな声で、「これは手作りよ!」と言った。 |
| ◆
手作り そう、手作りなのだ。景徳鎮の磁器は機械生産の物と、手作りの物は一見して見分けは付きにくい。 彼女は、模様の線の描き方を見ると分かると言い、手書きは微妙に柄線に濃淡があり、これが焼き物の色合いを鮮やかに出すのだそうだ。
また手作業によるロクロ成形したものは、出来あがり商品の音がまるで違うと、そこで2つを取り上げてち−んと鳴らして比べて見せた。 思わず小生「明白了(ミンバイラ[わかりました])」とにっこり笑って見せた。
(続く) |