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青花(チンフア) 景徳鎮は青花(あおはな<チンフア>)に始まり、また青花に戻る。そんな仮説を立てつつ、1つ1つの商品を手に取り観察していった。
ちなみに<青花>と聞くと<青い花の模様>と勘違いされるかもしれないが、これは花に限らず、あの<景徳鎮の青>で描かれる模様の総称である。
たくさん並んでいる茶壷(チャフウ)の中に素晴らしい絵柄の急須を見つけた。 数人の子供が遊びに興じている古代の絵を題材にしたもので、取手は竹を使っていてなかなか洒落ている。
だが、残念だが大き過ぎるし形が気に入らない。生活習慣の違いか、大味なのだ。 五彩の花鳥図も、粉彩による山彩図も悪くない。 しかし、日本のマーケットは受け入れてくれるだろうか?
九谷焼、有田焼等と日本には素晴らしい焼き物産地が沢山あって、まともには対抗できない。 中国茶王国「彩香」の茶器の世界を形作るラインアップとして適当な物、それは彩香のお客様に共感を得られる物であり、彩香によるティー
・タイムをよりいっそう豊かにするものでなければならない。 |
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これはいけそうだ♪ そんな事を考えていると、陳列棚の茶杯の一群に目が止まった。 「うん、 これはいけそうだ♪」
こざっぱりしていて日本のセンスに合うし、古都 山彩、桐の花、幻の龍と言った代表的な青花の図案があしらわれている。 日本のお茶習慣に合いそうなサイズで、彩香のお茶を飲んでもらうにぴ
ったりだ。 景徳鎮茶杯の定番になればいいなと思いつつ、生産背景や値段を確認交渉した。よし、テスト販売してみようと思い立ち、ハンドキャ リーで持ちかえる数だけ購入することにした。
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工場見学!そして旅は続く・・・ 翌日、予定の工場を見学した。 うなぎの寝床のように細長い工場だが、それなりに理由があって、原料搬入場所から焼き釜まで一気通貫で作業が流れるようになっているのだ。
機械による製造工程を見学した。ブルーグレーの粘土を型にはめ込む工程、部品を作る工程、うわぐすり工程、プリント版を貼りつける工程、そして焼き窯へと進んで行く。
工程は流れて行くが、すべて人海戦術による流れはやはり独得だ。日本では真似は出来ないな、と言うのが実感だ。 中国茶と茶器、この永遠のテ ーマを追っての旅は今始まったばかりだ。
上海への帰りの夜汽車は17時間の長旅だったが、必ず宝の山を探して見せるぞと、心から熱い思いが湧き上がる充実の旅だった。 (おわり)
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