樹齢800年の古樹に会う

(2002.8.広東省・鳳凰山 電脳茶師)




車がようやく鳳凰山の入り口に差し掛かり、李さんが口を開く・・・。

李 「鳳凰山ではおよそ1000年も前から茶が作られ、中国の南部を中心に、人々の生活に根ざしているんです。
山奥には樹齢100年を超える茶の樹が今でもひっそりと存在しているんです。古い茶樹は3m〜5mの高さがあり、葉も大きい。
鳳凰単叢の単叢という名前は、このような古樹から単独に茶摘みをし、他の樹で摘んだ茶葉を混ぜず、その茶葉だけで製茶するという意味なんです。 このような古樹の単叢は、樹によって香りが異なるんですよ」

アマ 「へぇ〜、鳳凰単叢って歴史が古いんですね。あの独特の香りは中国三千年の歴史なのかな〜。

よ〜し、今日は中国三千年の謎を大解剖だ!!李さん、その古樹、絶対見に行きましょうよ!」

李 「天野さんの事だから、そうくると思いましたよ。今日は800年の古樹へお連れいたします。でも、足元にだけは気をつけてくださいね!」

そうこうしている間に、山頂にある茶農家に到着いたしました。

さぁ、みなさん、山を越え谷を超え、やってきましたよ〜ニンニン♪ 向こう側にあるのが、鳳凰単叢の名人茶農家の製茶工場です。

ここからは車では入っていけない為、足で歩いていきます。
鳳凰山の雄大な茶畑が素晴らしい眺めです。


李 「鳳凰単叢が採れるのはこのような山の頂上なんです。昼夜の温度差が激しく、山全体が霧に包まれる。鳳凰単叢の魅力は武夷山(ぶいさん)の岩茶(ガンチャ)の『岩韻(ガンイン)』や安渓(あんけい)の鉄観音の持つ『音韻(オンイン)』に並べられ、『山韻(サンイン)』と表現されるんです」

アマ 「なるほどね。山が生んだ香りだから、『山韻(サンイン)』か・・・。鳳凰山をなくして・・、単叢なし・・・・ですね!」

そして、足幅程度しか無い崖道を登っていく・・・。

鳳凰単叢の茶の樹はこのような大変な場所にあるんですっ。 だから、機械なんてとんでもない。 っというか、機械化した方が大変そう(^ー^;
高い山で危険を冒して茶樹まで行き、茶樹に登りつつ、苦労しながら茶を摘む・・・・。
鳳凰単叢、値段が高いのもうなずける話です。


この畑の持ち主である王さんが、単叢について説明してくれました。

王 「宋の時代に、この地域にやってきた皇帝一行が飲み物を探し、鳳凰山に自生する茶の樹を見つけてお茶を淹れたところ、その後味にいたく感激したという・・・。それから鳳凰単叢の古くて品質のいいものは、「宋種(そうしゅ)」と呼ばれるようになったんです」






みなさん、これが樹齢800年の鳳凰単叢です。芝蘭香(しばらんこう)だと王さんが教えてくれました。

ついに僕は、念願の800年の鳳凰単叢の茶の樹に出会う事ができました!

800年の年月を超え、この地で茶の盛衰を見てきた茶樹は、幹にコケが生えてはいるものの、中国の伝説の動物、鳳凰が舞っているように華やかで存在感に満ち溢れていました。

この伝説の古樹からは、800年を超えた今でも、数kgばかりかのお茶が作られるのだそうです。

他に茶の樹とは決して混ぜない、単叢。

長い年月をかけて培った香りは、混ぜてしまうには、『彩りの香り』が、あまりにも個性的過ぎるのです。

too fragrant to be together!
古樹の幹にはコケが生えていて、長い歴史を感じさせてくれます。



番外編  中国茶3000年の歴史はやっぱり遠かった・・・。

アマ「おりゃ〜〜。中国茶の謎を解き明かすまで、オレは絶対に負けないぞ〜(>_<)!」

「李さん この崖の向こうに、中国茶の三千年の歴史があるんでしょうか??」
李 「無いから帰りますよ。さあ、今夜は広州料理ですよ」

王 「さぁ帰ろ帰ろ〜、夕方から鳳凰山は霧が出て大変だにゃ〜」



アマ「李さん、王さん・・・、待って・・・、オレも帰るよ〜〜〜!」


珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
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