鳳凰単叢の茶樹の秘密について

(2002.8.広東・鳳凰山 電脳茶師)



マネージャーの李さん
鳳凰単叢の最大の特徴は、聞香杯のむせぶような香りも去ることながら、飲んだ後に喉元に残る、甘いライチやマスカットを思わせる香りにあります!

人工的に作ったフレーバーティーでも、ライチやマスカットの香りってありますよね。でも、この鳳凰単叢は何も混ぜたりしないで、半発酵の過程でライチやクチナシの香りを作り出すからビックら子なんですっ!

鳳凰単叢は樹齢が古く、大きな茶樹から茶摘をします。ある程度成長した茶樹は豊かな個性を持つため、他の樹の葉と混ぜる事はしません。コレが単叢(たんそう)と言われるゆえんです。
彩香で販売している鳳凰単叢は、現地でも標高が高く、巨大な老木の茶葉を原料としています。そんな部分に鳳凰単叢の香りの秘密がありそうです。

仕入先のマネージャーの李さんと、製造担当の劉さんに、鳳凰鎮烏棟山を案内してもらいました。





李「天野さん、今日は御社に届けている鳳凰単叢の茶の樹、そして鳳凰単叢の製茶の状況をお見せいたしますよ。鳳凰山の崖のようなところに茶の樹が生えてますから気をつけてくださね」

天野「山を越え〜谷を越え〜鳳凰山へやって来た〜♪電脳茶師がやって来た〜♪(忍者ハットリ君のテーマソング)」っとかなりのノリノリっぷりです。

天野「おおっ、これが鳳凰単叢か!ウワサどおりの大きな茶の樹ですね。早速記念に写真とっとこ!いや〜李さん、単叢の樹は若々しくて素敵ですね。これは手入れが行き届いているって事ですか?」

李「これは確かに単叢ですが、天野さんへお届けしているのはもっと年代の経った茶樹です。ご覧なさい、茶葉は若いし、産毛も少ない、葉の葉脈もあまり見えない」

李「ここは、まだ街中から少し山側に入ったところ。もっと標高の高いお茶ですよ。これからが大変な道のりです。烏棟山の海抜1500mの高地の茶葉です。良い鳳凰単叢は標高が高く、そして老木から出来上がるんです」

李「それじゃ〜もっと標高の高い山の上まで行きますよ〜。ここからは歩いていきます」


李「天野さん、着きましたよ。ここが鳳凰鎮烏棟山です。海抜1500m、年平均17度Cで、無汚染の天然の霧水を吸って育つので、農薬の散布の必要もなく、無農薬で単叢は育つんです」

李「それでは、天野さんへお届けしている鳳凰単叢の茶の樹を見に行きますよ。崖から落ちないでくださいね」
天野「あの、僕、まだ死にたくないんですけど(^_^;やり残した事が・・・かぁちゃ〜〜ん」

天野「劉さん、この茶の樹は割と小さいですね」
劉「茶の樹が大きければ、長寿の茶木というわけではありません。こちらの樹は背丈は小さいけど、30年の老木なんです。大きくさせないように育てています。」




「天野さん、あれが鳳凰単叢です」
アマ「うわ〜、本当に大きいですね〜!僕の身長が173cmだから、おおよそ4mくらい?」
「大きいでしょう。樹齢数百年も経つ茶樹です。人間が植えたのではなく、自生の茶樹です。そして特に手入れをせず、自然に任せて育てているんです。
この茶樹から茶摘をする時は木登りをして、お茶を摘むんです」
アマ「なるほどー。人間が植えたものではなく、自然に出来たものを摘んでいく、鳳凰単叢が貴重で、大量生産なんてできない訳だ。でも単叢っていうのはどういう意味ですか?」
「単叢と言われる所以は、茶樹ごとに製茶していき、他の茶樹と混ぜる事は決してしないからです。
なぜなら、鳳凰単叢の老木は長い年月で樹ごとに味わいや香りの個性が全く異なるからなんです。それを混ぜちゃったら、その個性がぼやけてしまうでしょう?
そうならないために、茶葉は絶対に混ぜないんです」


その茶樹はあった。
それはまるで、中国の昔話に出てくる仙人が立っているような、オーラを感じさせる存在感でした。



珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
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