茶壷作家の思い出

(2003.2.中国・宜興 電脳茶師)



焼きに入る前の茶壷
中国茶独特の急須、茶壷(ちゃふう)を生産する宜興(ぎこう)という町を初めて訪問したのは、1999年の秋でした。

急須ならこの町が良いらしいという事で、確か太湖のピールーチュンを仕入れに行った際、大手貿易会社勤務の沈さんが、
「天野さん、中国茶を極めるなら茶壷も極めないと!」 と言って連れてこられたのが、この宜興だったと記憶しております。

で、最初に案内してくれたのが、優しいおじさんの居る工房でした。



宜興鴻成陶藝有限公司
李昌鴻大師

アマノ「何で、茶壷作りをはじめたの?」

李さん「そりゃ、自己満足ですよ!楽しいから!
    それで、茶壷っていうものを深〜いところまで
    追求していくと、気がついたら、多くの人に
    伝わる作品になっていたんだよね!!」

なんて言いながら楽しそうに、焼き釜やら、土やらを見せてくれました!

しかしそのおじさん、日本に帰ってから分かったのですが、宜興で最も有名な作家さんの一人、李昌鴻さんという方でした。←マジビックリです(^_^;



一つ一つの作品に愛を込めて!

李昌鴻さんは、香港やドイツで何度も賞を獲得し、「工藝美術大師」にも認められたスンゴイ方だそうです。

それまで作家モノの茶器って、なんだか大げさな装飾ばかりが付いていて、実用に向かなそう・・・・。
なんて思っていたけど、自分の心がえらい狭い事に気づきました・・・。
 
「一つ一つの商品に命を!」
お茶でも茶器でもそうだけど、モノづくりが楽しくて楽しくてしょうがない人が、魂込めて作ったものは、存在感が違うんだぜぃ!

残念ながら僕はモノを作ることはできないけれど、販売者として、モノを作る人の愛情を、余すところ無く紹介する事が使命であり、僕の自己満足なんだと思いました



珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
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