アマノッチ史上最強優しいお茶

(2006.1.台湾 電脳茶師)


鄭茶師がニヤニヤしながら、倉庫の中からお茶を出してくれました。

鄭茶師「アマノッチ、飲んでごらん♪何のお茶か分かるかな?」
アマゴクゴク、「あっ、凍頂烏龍茶の焙煎ですか?」
鄭茶師「ははっ、良く分かったね。そのとおり」

もう3年も前のことですが、僕は鄭茶師に、他のある茶師の言葉を伝えた事があります。

「低発酵のお茶を作る茶師は昔の伝統的なお茶ではなく、品評会の賞ばかりを狙っている」

この時、僕が発酵が高くて焙煎の強い、伝統的な味わいの凍頂烏龍茶を絶賛していたのを鄭茶師ははっきりと覚えていたようです。



鄭茶師「アマノッチが納得するような高発酵の凍頂烏龍茶がやっと出来たんだよ。彩香のお客様に紹介して欲しくってね!」
アマ「3年前の事を覚えてくれていたなんて、ビックリしました。感激です!どんなお茶に仕上げたんですか?」
鄭茶師「このお茶は、茶畑選びから始めたんだ。凍頂の色々な畑を見て周り、それから高発酵に向いた茶葉を選んだ。悪い茶で高発酵・高焙煎のお茶を作ったら、焙煎の味しかしないからね。甘みが濃厚で質感の高い茶葉だよ。
この良質な味わいを強く残したかったので、香りを出す為の日光萎凋(にっこういちょう)にたっぷりの時間をとっているんだ。焙煎はゆっくり低温で、10時間程度の焙煎を2セット繰り返す。
苦味や渋みが心地よいでしょ?後味に凍頂烏龍の香りと甘みが出ているのは、焙煎の工程でお茶が死んでいない、キッチリと残っている事の証明なんだよ」
アマ「鄭さん、とってもおいしいですよ!今まで飲んだ事の無い優しい味がする!」
鄭茶師「心でお茶を作るというのは、自分を中心に捉えてお茶を作る事じゃない。相手の事を心から考えて作るお茶なんだよ」

 

以上のように鄭茶師は語り、僕は返す言葉がありませんでした。


このお茶は、すごく繊細で上品な味わいです。そして後味がとても甘いんですが、この甘みが長い時間喉の奥に残るんです。
市場に出回ってる焙煎茶の70%はお茶の味わいをごまかしたり、味のしないお茶に味を付ける為だと言われています。それに対し、鄭茶師はのお茶は良質な茶葉の味わいが焙煎の香りと調和して、強い甘味を残してくれています。


一言でいうと「優しい気持ちになれるお茶」です。



珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
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