鄭さんの茶畑に行ってきました!

(2007.1.台湾・阿里山 スタッフ@マエガマ)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こんにちは!中国茶王国「彩香」スタッフ 前釜です!
多忙な店長アマノッチに代わりまして、私が冬茶を求め 台湾の阿里山へ買い付け出張に行ってまいりました!

はじめて訪れた台湾!はじめての茶畑!何もかも始めてだらけでした〜!そんな私に今回課せられたミッションは・・・?
『台湾のカリスマ茶師、鄭さんの茶畑をリサーチせよ!』
今まで、彩香スタッフが一度も訪れたことのない阿里山(ありさん)にある鄭さんの茶畑。それは、とてつもなく奥地にあり、時間がかかるということから敬遠されていた地!今回は、鄭さんと彼の友人のご協力により、大切に育てられているお茶畑へ行ってまいりましたーー!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




早朝6時。台北市にある鄭さんのお店『老吉子(lao ji zi)』に向かいました。趣のある門構えの老吉子をのぞくと、いつもページの写真でみる鄭さんが!「ようこそ!僕の畑がある、阿里山の『特福野』までは片道6時間かかるからね。覚悟してね〜(笑)」と笑っておりました。さてさて、どうなることやら・・・

台北市から車を走らせ約4時間。やーっと「阿里山区」という標識を発見!もうお尻が痛くて痛くて「わ〜い!着いた〜!」と浮かれ気分の私を見て、「まだまだこれからだよ♪ここは阿里山を眺める観光スポット。僕たちが向かうのは、ホラ!向かいの山の奥地だよ。」と、鄭さん。そのお言葉通り、道はどんどん狭くなり、ジャングルのように茂った木々が車の窓にバシバシ当たるような所を車で更に約1時間半・・・


そして、やーーっと着きました!標高1300m!目の前に広がるのは、まるで空まで続いているような 鄭さんの茶畑!(上の写真)

澄んだ空気ですくすく育つ茶葉超貴重な「冬片」土を美味しくする秘訣♪


鄭さんの畑は、原住民「ツオウ族(鄒族) 」が住む『特福野』という地域に点在しております。観光客もほとんど足を踏み入れない、というその場所は、空気が本当に澄んでいて、空の色がものすご〜くキレイなところでした!その青い空と対極に、太陽の光を浴び光輝く茶葉たち・・・。スーー… っと深呼吸すると、木々の香り、大地の香り、そして、茶葉の清々しい香りがするんです!「ん〜!美味い!」思わず私がそう叫ぶと、鄭さんは嬉しそうにニヤリと一言。「これが、僕のお茶の世界なんだよ。」
・・・なるほど。この阿里山の大自然、そして、細心(さいしん)・愛心(あいしん)・耐心(たいしん)3つの心でお茶をつくるという鄭さんの心この世界があるから、美味いお茶ができるんだ…。と、まだリサーチも何もしていないのに、なんだかすごく納得してしまいました。



◆土を美味しくする秘訣

茶樹の間を歩くと、なにやらカサカサ音がしました。茶樹をかき分けて地面をみると、土の上にはピーナッツの殻がビ〜ッシリ!(画像:右下)「何これ!?」と鄭さんに聞くと、意味深にニヤリ。「これはね、土を美味しくする秘密の技なんだ♪土の上に、こうしてピーナッツの殻を敷くことで、大地に含まれている栄養分が蒸発しないんだよ。ホラ、女性だってお肌に保湿液とかつけるでしょ?それと一緒で、ピーナッツの殻は土の保湿液なんだよ。」 実際に土に触れてみると、湿っているんです!というよりも、潤っている!土が違うだけで、全く違う香りになる中国茶。鄭さんのお茶が美味しい秘訣は、このピーナッツの保湿液にも隠されていました。


「今日は結婚式だからおめかししたんじゃ」
と、ツオウ族のおじいちゃん

今年で80歳!
バリバリ現役のお茶摘み名人
未来の茶師たち!?
茶畑が遊び場です♪


◆鄭さんの決意

---
おじいさんの代からお茶を作り始め、鄭さんは3代目。しかし、鄭さんはただ家業を継いだわけではありません。26歳の時、本気で茶師になろう と決心した鄭さん。その真意を伺ってみました。 ---

マエ「鄭さんは、なんでお茶作りをしようと決心したの?」

鄭さん「この茶葉たち、そのまま放っておいたら落ちて枯葉になってしまうでしょ?でも、この茶葉たちを 一番美味しい時に摘んで、お茶にすることで、彼らは長生きできるんだ。つまり、僕が「香りの命」をふきこんであげるんだ。ある日、これが僕の一生をかけてやるべき事なんだと気付いたんだよ。」

マエ「なんだか、茶葉たちのお母さんみたいですね!」

鄭さん「そう!子供に愛情をそそぐように、愛情をもって茶葉に向き合うことが大切なんだ。そうすると、茶葉たちも必ず僕の想いに答えてくれるんだよ。」

・・・ううう!かっこよすぎますっ!しかし、 鄭さんひとりではお茶は作れません。鄭さんと共に、美味しいお茶を作っている仲間、それが『 特福野 』のツオウ族の方々なんです。


◆阿里山烏龍茶に秘められた舞台裏


『特福野』に着くと、ツオウ族の方々が出迎えてくれました。中には、今年80歳というおばあちゃまも!(写真:上中央)しかも、このお方、バリバリ現役のお茶摘み名人で、彩香のお茶もつんでくれているんです♪

でも、一体なぜ ツオウ族の方々とお茶を作っているのでしょうか?
鄭さんはこうおっしゃっておりました。

「阿里山はもともと彼らの山だからね。僕は、ここの人たちがお茶で生計を立てられるように、僕の持っている技術やお茶に対する想いなどを伝えているんだ。この阿里山は、彼らが守っていってほしいんだよ。」

近年、この阿里山の土地をよそに売ってしまう人が多いという中、鄭さんはツオウ族の村長さんと品評会を行う計画を立てたり、阿里山のお茶の「価値」を創造・伝達することに力を注いでいます!

この阿里山茶に対する熱い想いあるからこそ、美味しいお茶ができるんだ・・・と、今回改めて思いました。


鄭添福(てい てんぷく)茶師

台湾茶で一番人気の産地、阿里山を代表する茶師で、品評会では7回の特頭賞(第1位のこと)、10回の頭等賞を受賞したバケモノのような有名人です!その信頼性から台湾実力No.1の茶芸舘紫藤廬(ツートンルー)へもお茶を卸し販売をしている実力派です。



・・・・・・・・ 鄭さんにお客様の声を届けてまいりました♪ ・・・・・・・・

今回の出張で、鄭さんに今までお客様から頂いた感想を届けてきました!そして、鄭さんからも熱いメッセージを頂きましたよ↓

<阿里山烏龍茶に頂いたご感想>
今回で2袋目の阿里山烏龍茶。一番最初に飲んだ時の衝撃が忘れられず、すっかり虜になりました。この烏龍茶を飲んだら他の烏龍茶は飲めないぐらい大好きです。(言夫人様)

<鄭さんからのメッセージ>
お茶を飲む事は恋愛と一緒なんですよ。好きになればなるほど、美味しくなる。お茶と真剣に向き合えば、それだけお茶のことを分かるんですよ。こんなふうに言ってもらえて、僕も嬉しいな。
<阿里山金萱茶に頂いたご感想>
すっきりした切れる感じの中国茶をお探しの方にお勧め。巻いた茶葉ですが、淹れた時の広がった、きれいな緑色の茶葉を見て、自然に生きている感じを思い出し、特に休日以外の会社行く前の朝に飲んでしゃきん!!!としますよ。 (Yazz様)

<鄭さんからのメッセージ>
僕のお茶を通して、阿里山の自然、僕の茶畑、青い空を感じてくれたんですね。香りのその先にある自然まで感じられる お茶の世界を、これからも創造していきますね。謝謝!
<阿里山金萱茶に頂いたご感想>
<前文略>誰でも好き嫌いのない美味しい烏龍茶だと思います。仕事で疲れた時などにリラックスできてこの烏龍茶を飲むのがいいと思います。 ( y-kawa3023様)

<鄭さんからのメッセージ>
疲れた時に飲むのも良いですが、嬉しい時にも是非飲んでみて下さい!そうすると、お茶も喜んでとっても美味しくなるんですよ。
これからも「彩香」では、お客様の大切な声を茶師に届けてまいります!
今回の冬茶の感想も、じゃんじゃんお寄せ下さーい♪


珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
2000年2001年2002年2003年インド編2004年2005年
2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年