ルビーという紅茶

(2003.4.インド・ダージリン 電脳茶師)


ルビーティーという紅茶について

まず、ルビーティーっていう名前が面白いですよね。これは茶葉の発酵のさせ方の違いにより、お茶の水色がとても美しい宝石のルビーのように輝くため、茶園の方が名付けられたんです。
そして、名前負けしないだけの香りと味わいを持っています。茶葉自体から果実の熟したような香りがします。お茶を淹れて(苦味が無いのでノンシュガー)口に含むと、マスカットや熟した桃、アンズを混ぜ合わせて、ほどよくバランスをとったような香りがします。とにかく「フルーティー!」なのです。


それだけの特徴を持つこのお茶の秘密は、希少な使用茶葉と特殊な製造工程にあります!


ルビーティーの茶摘は特に早く、茶葉は霧の出る早朝4〜6時に摘みます。通常は朝6時から。

ルビーティーに使われる茶葉は特別な茶葉なんです。日光萎凋(にっこういちょう)がルビーティーの香りの秘密(写真は台湾の製茶現場)

ルビーティーの茶葉は、摘めるようになって2年目のクローナルです。で、そのクローナルの中でも特に新鮮で、甘みを持っている葉や新芽のみを摘みます。しかも茶摘の時間は晴れている日の朝の4時〜6時の間に限るのだそうです。
そして約40分ほど、太陽の元、外に茶葉を置いて萎れさせます。普通の紅茶には無い製造工程ですが、中国の烏龍茶に必須の製造工程で、日光萎凋(にっこういちょう)と言います。

萎れた茶葉は人の手で揉み込みをします。機械で効率的に揉みこみをしないところがポイント高いです。一度に2〜3枚の葉だけを揉み込む事で、茶葉の持つ甘み (ジュース)が抽出され、萎れた茶葉に再度、完全に吸収されるわけなんですっ!
次に茶葉は超寒い発酵ルームへ3時間半ほど移されます。この過程で、茶の色がルビーのような宝石の色あいを持ち、高い香りを生み出すんだそうです。
その後は乾燥室に入れ、振るいにかけられます。

茶摘の女性は通常、1日4〜5KG程度の茶葉を摘みますが、ルビーティーに使われる茶葉は、だいたい300グラムくらいしか摘まれないそうです。
なぜなら、ルビーティーに使用可能な甘みを持った新鮮な茶葉が少ないですし、それと別の茶葉を見分けるのに、かなり集中力が必要だからなんです!

摘んでいる茶葉の違い、そして製造工程の違いや手作業での揉みこみ。
そのような理由から、ルビーティーは果実のような独特の香りと、ルビーのような水色を持つようになるんです!もちろん大量生産には向きませんし、現地でもかなり値が張ります 。



珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
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