ピュグリ茶園にて

(2003.4.インド・ダージリン 電脳茶師)


ダージリン出張の最後に寄ったのが、ピュグリ茶園です。
ピュグリはダージリン西部に位置し、ネパールと隣接しています。そのため文化もネパールに近く、牛よりも馬が路上を闊歩しております。そしてダージリン茶園オーナーの中でも、最も情熱的なのがピュフグリ茶園のオーナー、アビシェクさんです。
「天野さんもインド紅茶を本気でやりたいなら、一度ダージリンに来なくちゃだめだよ〜」
と言ってくれたのも、実はこの人。

初めてカルカッタで会った時、「このおじさんは何歳だろう?」と思って訊いたら、ナント23歳と言われて正直驚きました。確かに若そうだけど・・・僕のほうが年上だったとは(^ー^;
でも彼は若いだけではなく、オーストラリアの大学で経営学修士(MBA)を取得し、日本を基盤にダージリンを積極的に広めていきたいとマーケティング活動は入念!
「日本人にピュグリのお茶を紹介したいんだ!」と、鼻息も荒いです!

私も大学で経営学を学んだので、「フィリップ・コトラー」という経営学の有名な先生の話題で盛り上がりました。大学時代、「経営学なんて机上の空論だから意味ないよ〜」なんて授業をずっとブッチし続けて、ゴメン、○○大学の田中先生!インドでちょっと役に立ちました!



ピュグリ茶園オーナーアビシェクさん

ピュグリ茶園について

1069.14エーカーのエリアに広がるピュグリ茶園。茶園は非常に美しく、まるで絵に描いたような風景で、アルプスを思わせます。また広大な茶園故、毎年の生産量も50000Kgsと、ダージリンでも1、2位を争うほど。
茶園は東向きの急傾斜の為、水はけが良いんです。それに加えて綺麗な井戸水、大山脈カンチェンジェンガの雨量、12〜2月の寒さが、ファーストフラッシュとセカンドフラッシュの素晴らしい芳香をもたらします。

ピュグリ茶園の名物と言えば、フラワリー・クローナルやティッピィークローナルなど、品種改良したクローナル(分枝性)の紅茶です。ダージリンの中でも、その品種改良・開発力はトップです。ピュグリのクローナルを飲めば、優しく甘い香りが喉の奥にずっと残っていく事でしょう。
オーナーのアビシェクさんはオレンジバレー、ミリクトン、ピュグリ、ブルームフィールドの茶園を所有し、しかも23才という若さだから驚きだ。







ホテルまで迎えに来てくれたのですが、いきなりプレゼントをいただきました。プレゼント攻撃!彼のお茶を広めたい情熱がビンビンに伝わってきます。

真ん中がオーナーのアビシェクさん。右が販売のマネージャーのサマナスさん、左がサーバントの方!アビシェクさんは、3日に1回はメールをくれるマメな方でした。

女性達が細心の注意をもって丁寧に茶摘をします。「この女性の茶摘から、ピュグリの魔法が始まるのさ!」と、アビシェクさんは自慢げでした。
ピュグリ茶園のお茶は特に品種改良したクローナルが有名です。花のような、果実のような、優しくて甘いダージリンを産します。茶樹自体も鮮やかです。

茶園全体、霧で包まれます。これが香りの秘訣です。中国でも台湾でも、日本の宇治でも、霧がかかるところで香り高いお茶が採れるのは、世界共通!

工場のサブマネージャーのナーブさんとロウさんのコンビ。オモシロイナーブさんと、クールでコワモテのロウさんでした。色々な方の手でお茶が作られるんですね。



ナーブさんの話はユニークで面白い!ピュグリはフラワリークローナルという新品種の改良に成功した事で有名ですが、その品種の秘密を色々教えていただきました。

ピュグリの製茶工場の方へ連れて行っていただきました。どこの製茶工場もそうですが、巨大な小学校の体育館を思わせます。中では何が行われてるんだろとワクワク。アニメに出てきそうな巨大な建物に、懐かしさと不思議さを感じます。とにかく、異国の雰囲気バッチリでした。

工場に行った証拠写真?をとってきました。ダージリンでもベスト10に入る茶園ピュグリです!ピュグリって、なかなかカワイイ名前ですよね。名前の由来が気になります。
休みの日の訪問でしたから、製茶は行われておらず、残念。主の居ない製茶工場はとても静かでしたが、貫禄がタップリ。普通なら騒がしい製茶工場ですから。

ティスティングルームにて。たくさんのお茶の中から、これぞ!と言えるものを探していきます。摘まれた茶区の違い、気温、天候・・・、お茶は本当に生き物です。


珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
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