殺青(シャーチン)

(2001.4.台湾・阿里山 電脳茶師)

発酵が促進している茶葉に熱を加えて、発酵をストップさせる製造工程。200℃程度の高温で酸化酵素の活性を消滅させます。この製造過程では、烏龍茶を作る上で欠かせない機械がたくさん登場いたします♪

   
室内萎凋【しつないいちょう】で発酵が進んだ茶葉の発酵をストップさせる為に茶葉を炒ります。いつ発酵を止めるかというと、包種茶なら発酵度10%、凍頂烏龍茶なら30%、大陸烏龍茶40%とお茶によって異なってきます。その頃合いを見定めるのも茶師の経験によります。写真の鉄の筒に茶葉を放り込みます。一昔前、中国大陸では本当のフライパンみたいなもので炒めていたのだそうです。

僕がボーっとしていると、「はい、邪魔邪魔」とどかされてしまいました。ここら辺の作業は一分遅れるだけでお茶の香りが変わる為、なかなか手伝わせてはくれません。ウロウロしていると怒られちゃいます・・・(^m^) 【炒って、揉んで、乾燥させて・・・】この当たりから、作業が急に忙しくなっていくんです。勇気を出してちょっと中を覗いてみましょう〜(@。@)/わぁお〜、当たり前ですが、とても熱いです。ナント温度が200度位あるんですって。中はグラグラっと回転しております。一般的に殺青の時間が足りないものは青臭い香りの烏龍茶になってしまうし、長時間やり過ぎると、苦〜い焦げたような烏龍茶になってしまうそうです。
10分程炒りました。茶葉の種類、製造方法等によって、釜にいれる茶葉の量、加熱の時間、温度も変わってきます。ここにも茶農家が長年蓄積してきたお茶作りのノウハウが隠れております。生野菜をフライパンで料理した感じですよね。ちょっとつまみ食い・・・(^m^)

茶葉が冷めない内に次の行程、揉捻(じゅうねん)に移ります。写真のような揉捻機械を使って、茶葉の細胞を壊します。お茶を淹れる時によく味と香りが出るようにする為です。特に包種茶には大切な作業です。包種茶は一煎目の香りが命ですからね。こちらも勇気を出してちょっと中を覗いてみましょう〜(@。@)/重たい半球状の鉄の塊が、歯の荒い皿に圧力をかけながら、こすっています。
さてこちらの機械は茶葉の水分を取り除く為に乾燥させる機械。ベルトコンベアーに茶葉を乗せると、茶葉がゆっくりと動いていきます。

こちらの乾燥は一度乾燥させたら終わりではなく、揉んでは乾燥させて、揉んでは乾燥させて・・・と繰り返していきます。しつこいですが、勇気を出してちょっと中を覗いてみましょう〜(@。@)/ゆっくりと茶葉が運ばれる姿はなんだかカワイソウな。。。
水分が減ってカラッカラになった茶葉が、ドンドン出てきました。室内萎凋【しつないいちょう】前に比べ、色も黒っぽく変わってきました。青々とした茶葉に熱を加え、葉の中の酸化酵素を殺すので殺青という名前が付いたのでしょうね〜♪3度あることは4度あるということで、勇気を出してちょっと近くから見てみましょう〜(@。@)/製造しているのは、丸くコロコロっとした茶葉の高山烏龍茶系ですが、見た目はバリバリの包種茶ですよね。烏龍茶の製造工程ってここまでは大体同じなんです。ちなみに包種茶はこの時点で大体作業終了ですが、凍頂烏龍茶や鉄観音はこの後に茶葉を丸くする作業があるんです。それはまた次回のお話・・・・。気が付くと、朝の4時になっておりました。しかし、茶農家の方はまだまだこれからという感じで仕事に励んでおります。残念ながら私はお先に寝ることにしました。ここの農家では寝る前には太陽と、そして大地の恵に対して祈りを捧げます。朝から「茶摘」から「青殺」の作業まで色々と経験して、僕も疲れました。明日は烏龍茶がなぜ、「丸いコロコロっとした形になっているか」について勉強します。ではお休みなさい(ーー).。zZ

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珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
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