揉捻(じゅうねん)

(2001.4.台湾・阿里山 電脳茶師)

烏龍茶って、「なんで5煎も6煎もお茶が出るのだろう?」「何であんなに香りが良いのだろう??」「そして何より、何で丸っこい形をしているの??」
その答えは揉捻(じゅうねん)という揉み込み作業の中に隠されている!!揉み込むことで、茶葉の組織細胞を破壊し、茶の抽出をスムーズにしていきます。且つ茶葉を丸っこくすることで何煎も香りと味を引き出せるように計算されているんです。

皆さん、おはようございます(^-^)/ 現在、朝の8時でございます!夜中から朝にかけて、全てのお茶が乾燥作業を終え、全てまとめられて静地されておりました。室内萎凋(室内いちょう)】の際にカーテン何枚分もあった茶葉が乾燥作業でこんなに小さくなってしまいました。たくさんの葉を摘んでも、最終的な量は作業が進むごとにドンドン少なくなっていきますね!!

台湾の烏龍茶や鉄観音は、より良い香りを出す為、また何度でもお茶が淹れられるように特別な作り方をしていきます。写真のように風呂敷状の木綿の布を使い、茶葉をその中に包んで揉み込んでいきます。包揉(パオロウ)団揉(トワンロウ)なんて言われる製法です!白い布に包、ぎゅ〜、ぎゅ〜っときつく縛っていきます。とても力の要る仕事なのです。丸い塊はサッカーボールのような印象ですね。現在はある程度、機械に頼る部分が増えてきましたが、安渓の方では手作業で行うのがほとんどというのが現状です!
そのボールを揉捻機の機械に乗せます。この機械は回転しながら、茶葉の入ったボールを圧縮していきます。圧縮されていき、丸いサッカーボール状の包みは半分くらいの大きさになっていきます。揉み揉み、というよりは圧縮する!っといった感じですね。

ある程度揉み込んだら、その袋を空けて、ほぐしていきます!すると、中に入っている茶葉も、丸みを帯びた半球状の形になっていきます。分かりますか??コロッコロッしているでしょう。その茶葉を再度乾燥させます。乾かして、揉みこんで、乾かして、揉みこんでという作業を何度となく繰り返していきます!う〜ん、大変です!バターのように溶けてしまいそう。。。
再び、布に包みます。またまたサッカーボールのような大きさにします!!今度はもっと強力な機械を使って、茶葉を圧縮して揉み込みます。ギュ−ギューっと、かなり力のいる仕事ですね。機械のボタンを押すと、ウィーンと強烈な音がして、強い圧力を茶葉に掛けていきます。このように揉み込むことで、茶葉の組織を破壊し、お茶の旨みが引き出せるようになる。またそれと同時に半球状の形状にすることで旨みを閉じ込めていくんです。

また、また、布をほぐす。強く揉み込むと、ニカワ質成分が出て固まってしまうので、このようにまた広げます。この行程は「解塊」と言われています。
そしてまたまた乾燥させていきます・・・。いつまで続く!?この作業を何度と繰り返していくことで、コロコロっつした高級な烏龍茶が出来上がります。最上級の鉄観音は作業を十八回も繰り返すと言います。そのお茶は9煎お茶を出しても、香りは消えないのだそうです!

揉捻作業、乾燥作業の繰り返しが終わると、次は150度程度の熱風の乾燥機械にかけていきます。余分な水分を乾燥させ、変質を避ける為に高温で処理します。機械の出口からコロッコロッと音を立てて、烏龍茶が出てきました。皆様のお手もとにお届けさせていただいている形状とほとんど同じ形です!
さぁ〜、ついに完成いたしましたよ〜〜(o^∇^o)ノ茶摘から製茶まで、二日もかけてやっと烏龍茶が出来上がりました!!(@。@)/出来ました。自分の力で作った烏龍茶!!感動です(T_T)。なっ涙が止まりませんでした。いまでも宝物でございます!!見て下さい!右側の茶葉が茶摘をした時の大きさ。そして左側が最終的な茶葉の形!!製茶のすることでこんなに小さくなっていくのですね〜!中国茶マジック!

早速自分で作った茶葉でお茶を淹れてみまする!!う・・・・。究極の幸せ、です!実はこの状態ではまだ、完成品ではないんです。火入れがまだですから。つまり、いわゆるホンモノの「生茶」!!3日と保存できない生茶ですが、一番おいしいんです。「お茶の甘みがするでしょう〜♪だって生茶は生だもの・・・(^m^;)」そして最終工程の火入れ作業!その名もホンペイ!低音で、じっくりと乾燥させていく行程なのです。この作業で水分量を2〜5%まで落とし、長期保存を可能にします。さてさて、作業が終わったのが13時、茶農家のみんなは新茶のこの季節、徹夜で作業に当たるんです!!作業が終わったら、みんなで酒を飲み始める。ここの農家の社長の劉さんは大のカラオケ好き!みんなでカラオケ−ション〜♪う〜ん、お茶もいいけど、お酒もね!僕のミスチル、みんなにも聞かせたかったな〜^。^】/〜♪

( 1 )( 2 )( 3 )( 4 )( 5 )
茶摘み日光萎凋室内萎凋殺青揉捻


珍夜特急  〜彩香の買い付け日記〜
2000年2001年2002年2003年インド編2004年2005年
2006年2007年2008年2009年2010年2011年2012年